Austria Hexe

麻堂、麻堂か。真法500家にはないはず。そもそもそう古くはなさそうだ。家は建て替えられたとして、秘奥障壁に類するような守るべき礎は無いようだし。はて。なぜ神秘行使の痕跡だけが…

あ。神代神道か五仙に連なるかと思っていたのが間違いか。これは、ユダヤ系?いや、ずいぶんとはずれた系統か。
…まて。麻堂?まどう?帰化したのなら元は…もしくは…
「Marcedis.R.Madowというのが祖先にいるのか?」
瞬間、こちらを見下しているように眺めていた人物は後ずさり、警戒心をあらわにきつい目線を送ってくる。
あたり、か。
シリア起源にたどれる古典系の錬金術にゾシモスの血を流し込んだ異形の一派というあたりだろう。
Marcedisの後、傑出した経路起動をこなせる術者はでてないようだが。

なんにしろろくでもない。町を設計し丸ごと生け贄に使おうなどと言う偏狭な一族の末裔だ。
分散型の魔術経路をくめる力もなかったから古典的な血の濃縮に走ったのだろうし。
ま、その点では節操のない自分の家も禄でなさでは変わらないか。だが今回は節操のなさが自分の立場を有利にしたわけであるのだから何ともいえない。キメラのように東西南北の系統を一族に取り込んだ自分の家は、ほとんどの特化行使型の術者に対するカウンターを用意できる。分家をたどれば道教の方士を途中に見つけることができるくらいだ。