Protect yourself

二つの太陽が背後から投げかける光で、少し青みがかった白い壁にそれなりの濃さの影が二つ映るのを見つめながら、ひどく感傷的な思考がわいてくるのを自覚して嘆息する。
青みを帯びた透光性保護被覆層の下に見える、反応遮蔽のために吹き付けられた白い過還元触媒。もう吹き付け処理をして推定で千数百年もたつというのにいまだ遮蔽機能は半減すらしていない。
触媒層は自己復元するクラスタ堆積が数百層重なっているものなのは分かっているが、それ以外が良く分からない。
(彼らのことだから、どうせこれも何らかの処理する仕掛けを入れてあるんだろうけれど)